マイナンバー制度を考える【第2回】情報漏えいなどセキュリティ問題

マイナンバー制度の導入で最も不安視されているのが、個人情報の取扱いです。

個人情報の不正利用や漏えいについての不安

内閣府は、2015年1月と7月の世論調査で、マイナンバー制度の認識度や懸念内容を調査しました。全国 20 歳以上の日本国籍を有する者に対するサンプル3000人の調査です。マイナンバー制度における個人情報の取扱いに関することで、最も不安に思うことは何か聞いたところ、7月調査では「マイナンバーや個人情報の不正利用により、被害にあうおそれがあること」と答えた者の割合が 38.0%、「個人情報が漏えいすることにより、プライバシーが侵害されるおそれがあること」と答えた者の割合が 34.5%、国により個人情報が一元管理され、監視・監督されるおそれがあること」と答えた者の割合が 14.4%となっています。
1月調査結果と比較して見ると、「マイナンバーや個人情報の不正利用により、被害にあうおそれがあること」(32.3%→38.0%)、「個人情報が漏えいすることにより、プライバシーが侵害されるおそれがあること」(32.6%→34.5%)と答えた者の割合が上昇し、「国により個人情報が一元管理され、監視・監督されるおそれがあること」(18.2%→14.4%)が低下しています。

個人情報の不正利用や漏えいについての不安が7月調査で増えたのは、2015年5月に発覚した日本年金機構での情報流出事故の影響が大きいと考えられます。年金機構に対するサーバー攻撃で、個人情報の約125万件(対象者は101万人)が流出し、9月3日に成立した改正マイナンバー法では、マイナンバーと基礎年金番号との連結をしばらく延期することになりました。

マイナンバーを守るための多くの仕組み

マイナンバーでは、こうした不安を解消するため、安全・安心を確保する多くの仕組みが組み込まれています。
マイナンバー懸念
(出所)内閣官房HP「マイナンバー社会保障・税番号制度」

1. 制度により保護されます

① 厳格な本人確認(個人番号カード発行時の通知カードと運転免許証やパスポートなどの身分確認)が実施され、「なりすまし」被害を防止するため個人番号だけでの本人認証をしないことにしています。
② 厳格な情報の安全管理ルールが決められています。特定個人情報の取り扱いは、従来の個人情報以上に厳しい制約が課されます。すなわち、法に規定された場合以外の提供については、「特定個人情報の提供の制限」により、原則禁止されます。
③ 独立性の高い第三者機関(特定個人情報保護委員会)が監視・監督を行います。
④ 違反行為に対し、以下のような厳しい罰則が課されます。

  • 特定個人情報ファイルを故意に漏えいした場合は、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金
  • 業務に関して知りえた個人番号を漏えいまたは盗用した場合、および不正アクセスなどで個人番号を取得した場合は、3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金
  • 従業員が上記の違反行為を行った法人 同じ罰金刑
  • 特定個人情報保護委員会の業務改善命令に従わなかった場合は、2年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

⑤ 情報提供等記録開示システムによる情報提供等記録の確認を行います。2017(平成29)年1月からは、個人ごとのポータルサイト(マイナポータル)の運用が開始され、行政機関がマイナンバーを含む自分の情報を、いつどことなぜ提供したかが確認できます。

2. システムにより保護されます。

① 番号制度が導入されても、従来どおり個人情報は各行政機関等が保有し、他の機関の個人情報が必要となった場合には、限定されたものに限り、情報提供ネットワークシステムを使用して、情報の照会・提供を行うことができる『分散管理』の方法をとります。
② 役所間の情報のやり取りは、マイナンバーではなく、役所ごとに異なるコード(暗号化された符号)で行うので、1ヶ所で漏えいがあっても他の役所との間では遮断されます。
③ マイナンバー関連システムにアクセスできる人が制限され、アクセスした者の明確化も図られます。
④ 通信の暗号化が実施されます。

3. 漏えいが判明ないし漏えいのおそれがある場合は、新番号に切り替えることができます。

そうはいっても用心は肝心

マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得に注意する必要があります。
政府は、以下のような注意喚起をしています。

  • 国の関係省庁や地方自治体などが、口座番号や口座の暗証番号、所得や資産の情報、家族構成や年金・保険の情報などを聞いたり、お金やキャッシュカードを要求したりすることは一切ありません。
  • ATMの操作をお願いすることも一切ありません
  • 電話、メール、訪問などにより、マイナンバーの安全管理対応の困難さなどを過度に誇張した商品販売や不正な勧誘などには十分注意してください。

内閣官房HP「マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!

マイナンバー制度をかたった不審な電話、メール、手紙、訪問等には十分注意し、内容に応じて、以下の相談窓口をご利用ください。
マイナンバー総合フリーダイヤル 0120―95-0178

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