マイナンバー制度を考える【第1回】マイナンバー制度の概要

国民一人ひとりに12桁の番号が割り振られる、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度の利用が、来年(2016年)1月からいよいよ始まります。「明日への扉」では、数回シリーズで解説します。第1回は概要です。

マイナンバー(社会保障・税番号)制度は、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるもので、「行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤」とされています。

政府は、期待される効果として、次の3つを挙げています。

  1. (公平・公正な社会の実現)所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。
  2. (国民の利便性の向上)添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。
  3. (行政の効率化)行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。

政府は、マイナンバー制度を、今後、次のような手順で、進める予定です。

マイナンバー制度の概要について

まずは、悪用のおそれの少ない、社会保障、税、災害対策の3分野で導入されます。

10月以降、各市町村から各家庭に、マイナンバー(一人ひとり異なる12ケタの個人番号)が記載された通知カード、個人番号申請書等が簡易書留で郵送されています(日本郵便は、11月末時点で650万通(全体の11.5%)がまだ配達ができていないと発表しました)。通知カードには、マイナンバーの他、氏名、住所、生年月日、性別が記載されています。
カードが届いたら、記載内容に間違いがないかまず確認しましょう。

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個人番号カード申請書に、顔写真を添付し、署名または記名押印して申請します。スマートフォンで顔写真を撮影して、オンラインで申請することもできます。2016(平成28)年1月から、社会保障、税、災害対策の行政手続にマイナンバーが必要になります。個人番号カードの準備ができたことを知らせる「交付通知書」、通知カード、本人確認ができる書類(運転免許証、パスポートなど)を、2016年1月以降、市区町村窓口に本人が持参して、個人番号カードを受け取ります。

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個人番号カードによって、国民全員の税、年金・医療などの社会保障、災害対策に関する情報が一元化されます。役所の窓口での手続きに必要な添付書類も少なくなります。但し、当面は個人番号カードで利用できるサービスは限られており、カードの申請は急がなくとも大丈夫です。役所の窓口に、通知カードと本人確認ができる書類を持参すれば、個人番号カードと同様に扱われます。

企業など事業者は、税務署に提出する書類や健康保険、年金、労働保険の手続きの際に、従業員や報酬の支払先などのマイナンバー(個人番号、法人番号)の記載が必要になります。

したがって、従業員は、勤務先からマイナンバーの届出を要請されます。正社員だけでなく、パートやアルバイトも対象になり、自分と扶養家族のマイナンバーを届ける必要があります。また、税や社会保険の書類や税の確定申告などの届出書類にも、マイナンバーを記載して届け出る必要があります(マイナンバー提出を拒むこともできますが、事業者はその経緯を記して税務署等に提出するので、結果として痛くもない腹を探られる可能性があります)。

2017(平成29)年1月からは、個人ごとのポータルサイト(マイナポータル)の運用が開始されます。マイナポータルでは、行政機関が、マイナンバーを含む自分の情報を、いつどことなぜ提供したかが確認できます。また、行政機関が保有する自分に関する情報や行政機関から自分に対しての必要なお知らせ情報等を自宅のパソコン等からも確認できるようになります。

例えば、各種社会保険料の支払金額や確定申告等を行う際に参考となる情報の入手等が行えるようになる予定です。なお、なりすましの防止等、情報セキュリティに十分に配慮する必要があることから、マイナポータルを利用する際は、個人番号カードに格納された電子情報とパスワードを組み合わせて確認する公的個人認証を採用する予定です。このマイナポータルの運用が開始されれば、マイナンバーの便宜性が一気に高まると見込まれています。

政府は、個人番号カードにより利用できるサービスを次々に増やしていき、国民に恩恵を実感してもらい、2020年には全国民への交付を目指しています。

次回は、情報漏えいなどセキュリティ問題につき、解説します。

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