今、人気のリクライニングベッドをクローズアップ

ニーズが伸びているリクライニングベッド

ここ最近、電動のリクライニングベッドのCMをよく見かけるようになりました。将来、筋力や身体能力が衰えたり、介護が必要となった場合にも使える機能を有しているだけでなく、家具としてのデザインや質感が向上してきた点が、人気の理由のようです。

また、昨今は睡眠の質が注目されており、寝具へのこだわりを持つ人が増えていることも、リクライニングベッドの需要を伸ばしている一因といえるでしょう。

しかし、そうそう買い替えられるものではありませんから、選ぶ際は念入りに比較検討する必要があります。
もちろん、新品にこだわらなければ、中古のベッドを購入するという選択肢もあります。レンタルもありますが、介護を前提としていますし、介護用ベッド(特殊寝台)の購入については、介護保険サービスの対象になっていないので、ご自身が元気で予算を捻出できるうちに購入しておくというのも賢い考え方かもしれません。

※なお、ここでは、現在特に身体に支障がない方が、将来に備えてという観点で見ていくので、以降は介護用ベッドではなく、リクライニングベッドという呼称を用います。

どんな機能を備えているかを知りましょう

まずはリクライニングベッドが、どのような機能を持っているかを踏まえて選択していきましょう。リクライニングベッドは、別名モーターベッドとも呼ばれています。搭載したモーターの数によって、「背上げ機能」「高さ調節機能」「膝上げ機能」という3つの基本的な機能の選択と動作の組み合わせで成り立っています。

「背上げ機能」

ベッドで体を起こしたい時、背中に当たる部分がソファの背もたれのようにせり上がる機能です。テレビを見たり、読書をする際にも便利ですし、喘息をはじめとした呼吸器系の疾患のある方にとっては、横たわる場合よりも気道が確保しやすいので、睡眠しやすくなります。また、逆流性食道炎の方も、いくぶん上半身を高めにすると眠りやすくなるそうです。ベッドからの移動もスムーズで、ベッドでの食事も可能になります。

「高さ調節機能」

ベッド自体の高さを変えられる機能です。ベッドから降りる際、立ち上がりやすい高さに調整できるので、筋力の下がった腰や腕などへの負担を減らします。介護する側からしても、腰をかがめずにすむので負担の軽減につながります。

「膝上げ機能」

背上げ機能を使って身体を起こしている際、体が足側へとずり落ちてきてしまうことがありますが、膝角度を上げ、それを軽減する機能です。さらに、ベッドに横たわって長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなりますし、足のむくみを誘発し、いわゆるエコノミークラス症候群のような状態にもなりかねません。横になっているときに、足を心臓よりも高い位置にできるので、それを防ぐ上でも有効だとされています。なお、「脚上げ機能」と呼んでいるメーカーもあります。

リクライニングベッドの各タイプ

1モーター
最もシンプルなタイプです。ベッドの背上げ機能、または高さ調節機能のいずれかを備えています。ただし、廉価版だと微調整ができないものもあります。
価格帯/2万円台~

2モーター
背上げ機能と高さ調節機能を備えています。背上げ機能に連動して膝上げ機能が付いている機種も多く、起き上がりや立ち上がりをサポートしてくれる手頃なタイプです。
価格帯/4万円台~

3モーター
背上げ・高さ調節・膝上げ機能を備え、それぞれに細かい調整を行うことが可能なタイプです。自力での寝返りが難しい方など、本格的な介護を視野に入れて選ぶなら最適です、
価格帯/10万円台~

4モーター
背上げ・高さ調節・膝上げ機能の他、左右の肩の部分を傾けて寝返りの補助もできます。また、タイマーで自動に寝返り機能を設定し、床ずれ予防のできるものもありますが、どちらかというと介護者が操作するタイプです。種類も多くなく、価格もこなれていません。
価格帯/30万円台~

1+1モーター
背上げ機能と膝上げ機能を単独で操作するタイプ。2モーターとは異なり、高さ調節機能は付いていません。ベッド自体の高さは利用者の膝までの高さのものがベター。膝を90度くらい曲げた状態で座り、足の裏が床に着く高さのものであれば、立ち上がりが楽です。
価格帯/6万円台~

※それぞれの価格帯はマットレスを含まないものもあります。

サイズは基本的に幅・長さ共に3タイプ

機能の次に考慮しなければならないのは、いうまでもなくサイズです。利用する方の体型や身長だけでなく、住宅事情も念頭に置かなくてはなりません。サイズ自体は、幅が83cm・91cm・100cm、長さが180cm・191cm・205cmのそれぞれ3種が用意されていますが、介護のしやすさを考えた場合、幅は83cmが理想的だそうです。もちろん、体系によっては、91cmのほうが使いやすいこともあるでしょうし、自身で寝返りが打てる場合は100cmがいいという人もいるでしょう。

最も一般的なのは幅91cm×長さ191cmのレギュラーサイズで、利用する方の身長が150~175cmの場合に適しています。なお、身長150cm未満の方は幅83cm×長さ180cmのミニサイズ、身長176cmを超える方は幅100cm×長さ205cmのロングサイズが最適です(※メーカーによっては規格やサイズが異なるものもあります)。ベッドは壁にぴったりと設置せずに5センチ~10センチ以上壁から離す必要があるため、部屋の広さを計算に入れることをくれぐれもお忘れなく。

また、モーターを搭載している分、重量もあるので、フローリングの部屋であることが理想です。畳の部屋であっても、リフォームせずにフローリングタイプのフロアタイルやウッドカーペットを使えば対応できますが、下の畳が掃除しにくいためにダニの温床になる可能性もあります。そういった点も考慮の上、選択をしてください。

和室に置くなら、ベッドではなく電動リクライニングマットレスもあります。最近、発売されたものですが、ベッドフレームがなく、重量もそれほど重くはないので畳に沈み込む心配もありません。価格は10万円台とやや高めですが、座椅子やソファベッド的な使い方も可能ですし、これを今まで使ってきたベッドフレームに乗せれば、リクライニングベッドとしても使えます(※マットレスの同社製品のみ)。

私たちは、人生の1/3近くを睡眠に費やしています。熟睡や安眠を求めるのであれば、良質で上質な寝具を手に入れることは大切ですし、介護が必要となった際、寝具の重要性がより増していくことはいうまでもありません。しかも、高齢化がさらに進んでいく今後、リクライニングベッドの需要が拡大していくことも間違いありません。今すぐ購入されるかどうかは別として、上記を参考にお役立ていただければ幸いです。