厚生年金・共済年金が統合されます

民間企業雇用労働者も、公務員も、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるという公平性を確保するため、給付設計が同じになります。

日本の年金制度は、基礎的な年金を給付する国民年金と、それに上乗せして報酬比例の年金を支給する、民間企業に勤めている者の厚生年金と、公務員や私学教職員の共済年金からなります。2015(平成27)年10月からは、厚生年金に公務員および私学教職員も加入し、上乗せ部分(2 階部分)の年金は厚生年金に統一されます。厚生年金と共済年金の制度的差異は、基本的に厚生年金に揃えて解消され、共済年金の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限18.3%)に統一されます(厚生年金は2017(平成29)年、公務員共済は2018(平成30)年、私学教職員は2027(平成39)年に、18.3%になります)。

民間企業の雇用労働者、公務員を通じ、将来に向けて、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるという公平性を確保することにより、公的年金全体に対する国民の信頼を高めるための措置です。

制度的な差異の解消については、下表の①〜⑤の差異は厚生年金に揃えられ、⑥の厚生年金の女子の支給開始年齢が5年遅れである点については、経過的措置として存続することになっています。

厚生年金 共済年金
①被保険者の年齢制限 ○70歳まで ○年齢制限なし(私学共済除く)
②未支給年金の給付範囲 ○死亡した者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、又は兄弟姉妹
(注:今年3月に提出した年金改正法案(年金機能強化法案)で、甥姪など3親等内の親族にも拡大)
○遺族(死亡した者によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母)、又は遺族がないときは相続人
③老齢給付金の在職者支給停止 ○老齢厚生年金受給者が厚生被保険者となった場合
・65歳までは(賃金+年金)が28万円を超えた場合、年金の一部又は全部を支給停止。
・65歳以降は(賃金+年金)が46万円を超えた場合、年金の一部又は全部を支給停止。
○老齢厚生年金受給者が共済組合員となった場合
年金の支給なし。
○退職共済年金受給者が共済組合員となった場合
(賃金+年金)が28万円を超えた場合、年金の一部又は全部を支給停止。3階部分は支給停止。
※私学共済の退職共済年金受給者が私学共済加入者となった場合は、厚年と同様の方式
○退職共済年金受給者が厚生年金被保険者等となった場合
(賃金+年金)が46万円を超えた場合、年金の一部又は全部を支給停止。
④障害給付の支給条件 ○初診日の前々月までの保険料納付済期間及び保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上必要(保険料納付要件あり)。 ○保険料納付要件なし。
⑤遺族年金の転給 ○先順位者が失権しても、次順位以下の者に支給されない。
(例:遺族年金受給中の子供のいない妻が死亡すると、その遺族年金は支給されなくなる。)
○先順位者が失権した場合、次順位者に支給される。
(例:遺族年金受給中の子供のいない妻が死亡したとき、一定の場合、その遺族年金が父母等に支給される。)
(経過的措置)
⑥女子の支給開始年齢 60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢引き上げは、男子の5年遅れのスケジュール。(昭和21年4月2日生まれ〜) 60歳台前半の特別支給の退職共済年金の支給開始年齢引き上げは、男子と同じスケジュール。(昭和16年4月2日生まれ〜)