1月の有効求人倍率は1.28倍、24年ぶりの高水準、完全失業率も3.2%と前月より低下

1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍に上昇、完全失業率(同)も3.2%と前月より低下と、雇用情勢は好調な状況を続けています。

厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113155.html(2016年1月分)

総務省では、就業状況、失業者、失業率など把握するため、「労働力調査」を毎月実施・公表しています。

http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm(2016年1月分)

(注)有効求人倍率は、仕事を求めている求職者一人に対し企業から何人の求人があるかを示す、労働市場の基本指標で、完全失業率は、労働力人口に対する完全失業者数で表わされます。両指標とも、各月の数字は、通常、季節による変動要因を除いた季節調整値が使用されます。

2つの調査の2016年1月分の状況が両省から3月1日に公表されました。総じて、雇用情勢は好調な状況を続けています。

2016年1月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント増加し1.28倍となりました。

正社員だけでみた正社員有効求人倍率は、1月では0.70倍(季節調整値)と昨年12月の0.80から低下し1年前の水準になっています。正社員向け求人が減少したためですが、これが一時的なものなのか、それとも今後継続するものなのか、注目されます。

1月の新規求人数(当月に新たに受け付けた求人数、原数値)は前年同月と比較すると2.7%増(季節調整値でみると、前月に比べ1.6%減)となりました。これを産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業(訪日外国人観光客の増加の影響等で13.4%増)、卸売・小売業(5.6%増)、医療・福祉業(4.5%増)などで高い伸びとなりました(製造業は0.45%の減)。新規求人数は、内閣府の景気動向指数の先行系列に採用されている唯一の労働統計指標です。景気に先行して変動する先行系列とされているのは、企業は景気がよくなると感じると求人活動を活発化し、景気の陰りを感じると、新たな求人活動を控えるからです。新規求人数の伸びの鈍化、製造業求人数の減少は気になるところです。

1月の都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、全国で最高は東京都の1.88倍、最低クラスは沖縄県の0.90倍、鹿児島県の0.93倍、埼玉県(埼玉県は東京への通勤者が多く、求人も東京の企業からのものが多く、埼玉県内からのものが少ない。)の0.94倍と、常連の県が並んでいます。

kyujin201601

(注)
1.月別の数値は季節調整値である。なお、平成27年12月以前の数値は、平成28年1月分公表時に新季節指数により改訂されている。
2.文中の正社員有効求人倍率は正社員の月間有効求人数からパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しているが、パートタイムを除く常用の有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる。
3.文中の産業分類は、平成25年10月改定の「日本標準産業分類」に基づくもの。

2016年1月の全国の完全失業率(季節調整値)も同日総務省統計局から公表されましたが、3.2%と前月に比べ0.1ポイント低下しました。

(注)完全失業率は、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合です。

1月には、就業者(働いている者)が6,399万人と前年同月に比べ90万人増加し(14カ月連続の増加)、完全失業者数も211万人と、前年同月に比べて20万人減りました(68カ月連続で減少)。求職理由をみると、「勤め先や事業の都合による離職」が2万人減少し、「自発的な離職(自己都合)」が9万人減少しています。雇用情勢は引続き改善傾向で推移していると総務省統計局は分析しています。

このように、総じて、雇用情勢は好調な状況を続けていますが、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、わが国の景気にも最近弱さが見られるようになっています。今後の雇用動向については十分な注意が必要です。