2016年4月の有効求人倍率は1.34倍と高水準、完全失業率は3.2%と横ばい

3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.30倍と高い水準が続き、完全失業率(同)は3.2%と前月に比べ0.1ポイント下がりよりやや上昇しました。厚生労働省、総務省とも、雇用情勢は引続き改善方向で推移している、としています。
厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しています。
(2016年4月分)
総務省では、就業状況、失業者、失業率など把握するため、「労働力調査」を毎月実施・公表しています。
(2016年4月分)
(注)有効求人倍率は、仕事を求めている求職者一人に対し企業から何人の求人があるかを示す、労働市場の基本指標で、完全失業率は、労働力人口に対する完全失業者数で表わされます。両指標とも、各月の数字は、通常、季節による変動要因を除いた季節調整値が使用されます。
2つの調査の2016年4月分の状況が両省から5月31日に公表されました。総じて、雇用情勢は好調な状況を続けています。

2016年4月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月に比べ0.04ポイント上昇し、1.34倍となりました。
新規求人数は、内閣府の景気動向指数の先行系列に採用されている唯一の労働統計指標です。景気に先行して変動する先行系列とされているのは、企業は景気がよくなると感じると求人活動を活発化し、景気の陰りを感じると、新たな求人活動を控えるからです。4月の新規求人数(当月に新たに受け付けた求人数、原数値)は前年同月と比較すると3.9%増となりました。前年同月比を産業別にみると、教育・学習支援業(8.2%増)、宿泊業・飲食サービス業(訪日外国人観光客の増加の影響等で8.0%増)、医療・福祉業(6.9%増)、卸売・小売業(5.8%増)などで高い伸びとなりました(製造業は2.4%の増)。先月低下した正社員だけを対象にした正社員有効求人倍率(季節調整値)も、0.85倍と前月を0.03ポイント上昇するなど、多くの指標で改善が見られました。

4月の都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、全国で最高は東京都の2.02倍、次いで福井県1.86倍、岐阜県1.77倍などとなっています。2倍台が出たのは、1974年6月以来です。最低は沖縄県の0.94倍、次いで鹿児島県0.97倍、埼玉県(埼玉県は東京への通勤者が多く、求人も東京の企業からのものが多く、埼玉県内からのものが少ない。)の1.01倍と、常連の県が並んでいます。なお、今回は、従来公表されている「求人受理地別」の求人倍率だけでなく、労働者が勤務する地域の実態を反映した「就業地別」の求人倍率も公表されました。それによると、2005年2月の就業地別データの集計開始以来初めて、全都道府県で同時に1倍を超えました(最高は福井の1.94倍、最低は沖縄の1.01倍で、東京都は1.41倍、埼玉県は1.21倍となっています)。

kyujin201604(2016年4月分)

(注)
1.月別の数値は季節調整値である。なお、平成27年12月以前の数値は、平成28年1月分公表時に新季節指数により改訂されている。
2.文中の正社員有効求人倍率は正社員の月間有効求人数からパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しているが、パートタイムを除く常用の有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる。
3.文中の産業分類は、平成25年10月改定の「日本標準産業分類」に基づくもの。

2016年4月の全国の完全失業率(季節調整値)も同日総務省統計局から公表されましたが、3.2%と前月と横ばいでした。
(注)完全失業率は、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合です。
4月には、就業者(働いている者)が6,396万人と前年同月に比べ54万人増加し(17カ月連続の増加)、完全失業者数も224万人と、前年同月に比べて10万人減りました(71カ月連続で減少)。求職理由をみると、「勤め先や事業の都合による離職」が2万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」が1万人増加しました。雇用情勢は引続き改善傾向で推移していると総務省統計局は分析しています。

6月2日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」では、「企業収益は過去最高水準となり、雇用・所得環境は大きく改善している。しかしながら、中国の成長鈍化、石油など資源価格の下落等を背景に、年初来の金融資本市場におけるリスクオフ(リスク回避)の動きなど国際金融情勢が変動する中で、世界経済の不透明感が増している。」としています。こうした状況を踏まえ、厚生労働省は、「景気が緩やかに回復していることに伴い、雇用情勢も着実に改善傾向が続いているが、日本の雇用に影響を与える可能性がある海外の経済情勢や熊本地震の雇用への影響について十分な注意が必要である」としています。