2016年12月の有効求人倍率は1.43倍と4ヵ月連続で上昇、3ヵ月連続で全都道府県で1倍以上に。完全失業率は3.1%と前月比横ばい

2016年12月の有効求人倍率は1.43倍(季節調整値、季節による変動を除いた数字)と前月より0.02ポイント上昇しました。また、3カ月連続ですべての都道府県で1倍以上となりました。
12月の完全失業率は3.1%(季節調整値)と前月に比べ横ばいでした。前年同月比でみると、就業者は25ヵ月連続で増加、完全失業者は79ヵ月連続で減少しています(就業者は81万人増加の6,466万人、完全失業者は11万人減少の193万人)。厚生労働省、総務省とも、雇用情勢は引続き改善方向で推移している、としています。

なお、2016年の年平均の数字も、同時に公表されました。有効求人倍率は1.36倍と、前年の1.20倍を0.16ポイント上回りました。また、完全失業率は、3.1%と,前年に比べ0.3ポイント低下(6年連続の低下)しています。

厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しています
(12月分)

総務省では、就業状況、失業者、失業率など把握するため、「労働力調査」を毎月実施・公表しています。
(12月分)

(注)有効求人倍率は、仕事を求めている求職者一人に対し企業から何人の求人があるかを示す、労働市場の基本指標で、完全失業率は、労働力人口に対する完全失業者数で表わされます。両指標とも、各月の数字は、通常、季節による変動要因を除いた季節調整値が使用されます。

2つの調査の2016年12月分の状況が両省から1月31日に公表されました。総じて、雇用情勢は好調な状況を続けています。
2016年12 月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.02 ポイント上昇し1.43 倍でした。2010(平成22)年以降、有効求職者の減少、有効求人数の増加が続いています。

新規求人数は、内閣府の景気動向指数の先行系列に採用されている唯一の労働統計指標です。景気に先行して変動する先行系列とされているのは、企業は景気がよくなると感じると求人活動を活発化し、景気の陰りを感じると、新たな求人活動を控えるからです。12月の新規求人数(当月に新たに受け付けた求人数、原数値)は前年同月と比較すると7.8%増となりました。前年同月比を産業別にみると、教育・学習支援業(14.2%増)、建設業(10.7%増)、生活関連サービス業・娯楽業(8.9%増)、製造業(8.6%増)、医療・福祉業(8.2%増)などで増加となり、減少は繊維工業(1.0%減)など一部の業種のみでした。

11月の都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、求人受理地別では、最高は東京都の2.05倍、最低は沖縄県の1.02倍、実際の就業地別では、最高は福井県の1.95倍、最低は北海道と沖縄県の1.12倍となりました。人手不足は全国的で、求人受理地別でも就業地別でも、全都道府県で1倍以上となっています。また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も0.92と過去最高の数字となっています。

(注)
1.月別の数値は季節調整値である。なお、平成27年12月以前の数値は、平成28年1月分公表時に新季節指数により改訂されている。
2.文中の正社員有効求人倍率は正社員の月間有効求人数からパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しているが、パートタイムを除く常用の有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる。
3.文中の産業分類は、平成25年10月改定の「日本標準産業分類」に基づくもの。
2016年12月の全国の完全失業率(季節調整値)も同日総務省統計局から公表されましたが、3.1%と前月と横ばいでした。
(注)完全失業率は、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合です。

12月には、就業者(働いている者)が6,466万人と前年同月に比べ81万人増加し(25ヵ月連続の増加)、完全失業者数も193万人と、前年同月に比べて11万人減りました(79カ月連続で減少)。完全失業者数が200万人を下回ったのは先月に次ぎ2か月連続で、1995(平成7)年2月以来です。求職理由をみると、「勤め先や事業の都合による離職」、「自発的な離職(自己都合)」ともそれぞれ6万人の減少でした。雇用情勢は引続き改善傾向で推移していると総務省統計局は分析しています。

塩崎厚生労働大臣は、31日の閣議後、「正社員の有効求人倍率が昨年12月に集計開始以来最高の値を示し、雇用は量のみならず質も向上している。雇用情勢は今後も改善することを期待し、引き続き雇用の質の改善をしっかり実現していく。」と述べました。なお、日本銀行の黒田東彦総裁は、同日の金融政策決定会合後の記者会見で、「わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けているが、米国のトランプ新大統領の政策運営をよく注意して見ていきたい。」と米国新政権の保護主義的動向へ懸念を表明しました。