1-1 現在の職場で引続き働く

再雇用制度と継続雇用制度

60歳という年齢が近づけば、誰もが定年退職を意識するものです。
現在の日本の雇用制度は、社会の高齢化に伴い、必ずしも「60歳=定年退職」というものではなくなっています。現在の職場で引き続き働く意思がある場合は、再雇用制度と継続雇用制度を理解しておくと良いでしょう。

2004(平成16)年に高年齢者等雇用安定法が改正され、厚生年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールに合わせ、段階的に、定年到達者全員を対象に、定年退職制度の廃止、定年退職年齢の65歳までの引上げ、65歳までの再雇用制度など継続雇用制度の導入のいずれかの実施が企業に義務づけられました。

さらに、2012(平成24)年改正で、定年に達した人を引き続き雇用する「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止も決まりましたが、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています(図表1)。

[図表1]継続雇用制度の対象者を限定する基準の経過措置
継続雇用制度の対象者を限定する基準の経過措置
継続雇用制度の対象者を限定する基準の経過措置
(参考)老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢

平成25年4月1日から平成28年3月31日まで 61歳
平成28年4月1日から平成31年3月31日まで 62歳
平成31年4月1日から平成34年3月31日まで 63歳
平成34年4月1日から平成37年3月31日まで 64歳

 

高年齢者雇用の現状

従業員31人以上企業では、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況を厚生労働省に報告する義務があります。「2014(平成26)年高年齢者の雇用状況」では、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は71.0%となっています。また、過去1年間の60歳定年企業における定年到達者(約34.5万人)のうち、継続雇用された人の割合は81.4%、継続雇用を希望しない定年退職者は18.3%、継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は0.3%となっています。

制度としては、60歳以降も現在の職場で働き続けることが可能になってきています。しかし多くの場合、同じ仕事をしているのに、雇用契約は嘱託・1年契約に変わり、年間給与も大幅にダウンします。また、高齢者が職場に居づらくするような対応を取っている会社もまだまだあることも否定できません。

これからの生活に必要十分な収入が得られるのかということ、職場の人間関係、慣れたライフサイクルや仕事への思いなどを十分に考慮して、制度を利用しましょう。

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