公的年金制度⑥年金の受け取り

年金の受け取りには申請が必要です

年金の受給資格が満たされている場合は、年金を受ける「裁定請求」の手続きを本人が行います。手続きに必要な「裁定請求書」は市区町村役場・年金事務所・街角の年金相談センターで手に入ります。必要な添付書類は、配偶者の有無や年金の加入状況などによって異なりますので、事前に市区町村役場・年金事務所・街角の年金相談センターで確認するとよいでしょう。

2009(平成21)年から、誕生月に「ねんきん定期便」が送付されています。この郵送の「ねんきん定期便」では、35歳、45歳または59歳の方のみ、全加入期間の年金記録をお知らせしていますが、電子版「ねんきん定期便」では、全ての加入期間の年金記録を確認できます。郵送版ないし電子版で、年金加入履歴や老齢年金の見込み額などを確認し、加入履歴の漏れや誤りを確認しておきましょう。

厚生年金基金に加入していた場合は、厚生年金基金または企業年金連合会に、共済年金に加入していた場合は加入していた共済組合に請求を行う必要があります。

給与や失業手当は年金と調整されます

60歳から65歳になるまでの特別支給の老齢厚生年金を受けている人で、「在職しながら老齢厚生年金を受け取る(在職老齢年金)」「雇用保険の高年齢雇用継続給付を受ける」「雇用保険の基本手当(失業手当)を受ける」のいずれかの場合は、支給額が減額または支給停止となります。この支給調整は、厚生年金基金に加入した期間がある人は、基金の年金も含めて調整されます。

在職老齢年金の減額または停止については、65歳以降にも適応されます。ただし、65歳より前と65歳以降では計算方法が異なり、基本月額と総報酬月額相当額の合計が、65歳までは28万円以下、65歳以降なら46万円以下であれば全額支給されます。(詳しい計算方法は図1参照)

雇用保険関係の届け出を忘れると年金が一時保留されることも

特別支給の老齢厚生年金を受けている人が、雇用保険の「高年齢雇用継続給付」を受けるときは、在職老齢年金の調整に加え、標準報酬月額(社会保険)の6%を限度とする額が支給停止となります。

また、「雇用保険の基本手当(失業手当)」を受けるときは、加給年金を含めて年金全額が支給停止となります。

いずれの場合も年金事務所に届け出なければなりません。年金の支給停止を解除するまでは時間がかかりますから注意が必要です。ハローワークへ求職の申し込みをしたけれど、失業手当の給付を受けていない場合でも届け出は必要です。

図表<1>在職老齢年金の計算方式
年金の請求手続き

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