【中高年にオススメ資格解説】キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、キャリアコンサルティングを担う専門家です。

「キャリア」は、「生き方」や「仕事の経験」と解されていますが、「キャリア(career)の語源は、ラテン語の” carraria”、「車の通る道」、「車が通った後にできる轍(わだち)」であり、もともとは「関連した職務・経験の連鎖」を意味します。そして、キャリアを積んだ結果として、職業能力が蓄積されていく、とされています。

キャリアコンサルティングとは、「個人が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう個別の希望に応じて実施される相談その他の支援」(2007(平成19年)11月、厚生労働省『キャリアコンサルタント制度のあり方に関する検討会報告書』)を言います。①高校・大学等における進路指導・キャリア教育、②企業など職場で行われる従業員のキャリアに関する相談、③ハローワークや若者自立支援機関などにおける職業相談・職業指導、等が主要な業務です。

キャリアコンサルティングを通じて、若者等が各自のキャリアプランを明確にし、そのために必要な知識・資格の取得や仕事の選択を行うなど、その希望するキャリアの道筋を実現しやすくなることを期待し、厚生労働省は、2002(平成14)年に「キャリアコンサルタント5万人計画」を打ち上げました。この計画を受けて、民間資格としての「キャリアコンサルタント」の認定試験が開始され、現在、人材派遣会社、コンサルタント会社、専門学校などが、厚生労働省の認可を受け養成講座や認定試験を行っています。

第2次安倍内閣の発足後、産業競争力会議は、2013(平成25)年末、労働力の流動化を目指し、キャリアコンサルタントの積極活用を打出しました。この方針を受け、厚生労働省は、2015年の通常国会での職業能力開発促進法の改正により、従来、民間資格だった「標準レベルコンサルタント」(国が策定した標準カリキュラムに基づく、140時間のキャリアコンサルタント養成講座を受講し、キャリアコンサルタント能力評価試験に合格した者等)を、2016年4月から国家資格「キャリアコンサルタント」に位置づけました。

登録制(5年ごとに更新)の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されますので、無資格者はキャリアコンサルタントを名乗れなくなり、職業に関する相談が今まで以上に安心してできるようになります。

標準レベルのキャリアコンサルタントは、2015年3月末現在で42,131人いますが、厚生労働省は、「キャリアコンサルタント」を2024年度末に10万人に倍増させる計画です。今後、職業としてどこまで成り立つかは、企業の活用ニーズに大きくかかっていますが、中高年の方々に取得検討をお勧めしたい資格の一つです。

受験資格等は、以下の通りです。

キャリアコンサルタント試験の受験資格
以下のいずれかの要件を満たした方

  1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者。
  2. 講習カリキュラムは、
    サイトを参照
    厚生労働大臣が認定する講習は、
    サイトを参照
  3. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
  4. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
  5. 上記の項目と同等以上の能力を有する者

試験実施機関
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が登録した登録試験機関が行います。

経過措置
(1)キャリアコンサルタント試験の受験資格に関する経過措置
2016(平成28)年3月までに、厚生労働大臣が認定する講習と同等以上のものであって厚生労働大臣が指定する講習(現行のキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格として認められてきた養成講座)を修了された方は、平成28年4月から5年間、キャリアコンサルタント試験を受験することができます。

(2)キャリアコンサルタント試験の免除に関する経過措置
2016 年3月までに、キャリアコンサルタント試験と同等以上のものであって厚生労働大臣が指定する試験(現行のキャリア・コンサルタント能力評価試験)に合格した方及びこれと同等以上の能力を有すると認められる方は、2016 年4月から5年の間に登録を行っていただくことで、キャリアコンサルタントになることができます。

なお、2016 年3月までにキャリアコンサルタント試験と同等以上のものであって厚生労働大臣が指定する試験の学科試験、実技試験のいずれか片方に合格した方及びこれと同等以上の能力を有すると認められる方は、キャリアコンサルタント試験についても学科試験、実技試験のうち対応する試験の合格者とみなされます(2016年4月から5年間に限ります)。

4.登録の更新
キャリアコンサルタントの登録を継続するためには5年ごとに更新を受けることが必要となります。更新を受けるためには、以下のA及びBの講習を受ける必要があります。
A.キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な知識の維持を図るための講習につき8時間以上
B.キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な技能の維持を図るための講習につき30時間以上

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