入浴時のヒートショックに注意

一年で最も寒い時期です。
外出を避け、屋内で過ごしていても、場所によって意外なほど温度差があります。
たとえば、暖房の効いた部屋から冷えた浴室に入り、熱いお湯に入った場合、急激な温度変化により、血圧が急に上下したり脈拍が早くなったりする「ヒートショック」が発生しやすくなります。
特に高齢者にとって、ヒートショックは重大な事故に繋がります。

消費者庁は、例年この時期に「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」と題した注意喚起を行っています。
それによると、家庭の浴槽での事故は冬季に多く発生しています。溺死者数は12年間で約8割増加し、2016(平成28)年に5,138人となっています。そのうち高齢者(65歳以上)が約9割を占めています。
また、2018(平成30)年11月21日に発表された注意喚起では、東京消防庁「救急搬送データ」を基に高齢者の事故の状況について分析が行われています。
2011(平成23)年以降は、高齢者の交通事故の死亡者数よりも、高齢者の家庭の浴槽での死亡者数のほうが上回っています。
また、高齢者がおぼれて救急搬送された場合、「重症」「重篤」「死亡」につながる例が多く、特に注意が必要とされています。

これを防ぐために、以下の6つのポイントが掲げられています。
(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖める
(2)湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
(3)浴槽から急に立ち上がらない
(4)食後すぐ、またはアルコールが抜けていない状態での入浴は控える
(5)精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は注意する
(6)入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらう

急激な温度差を避け、冬を快適に過ごしましょう。