臓器移植の現状

手をとりあう

臓器移植について目にする機会が増えています。
市区町村役場の窓口やハローワーク、コンビニエンスストアなどで、臓器移植に関する知識や意思の記入方法等の説明書きと「臓器提供意思表示カード」が一体となったリーフレットが配布されています。
医療保険の被保険者証(一部を除く)や、運転免許証、マイナンバーカードには、臓器提供に関する意思表示欄が設けられています。

「臓器移植」とは
臓器移植について、公益社団法人日本臓器移植ネットワークのwebサイトには、以下のように書かれています。

臓器移植とは、他の方の健康な心臓、肺、肝臓、腎臓などの臓器を移植して、機能を回復する医療です。健康な家族からの肝臓・腎臓などの部分提供による生体移植と亡くなられた方からの臓器提供による移植があります。
医療技術や医薬品だけではなく、皆さん一人ひとりの善意による臓器の提供がなければ成り立たない医療です。

臓器移植に関する法律
1997年10月16日に施行された「臓器移植法」により、脳死後の心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸などの提供が可能になりました。この時点では、脳死後の臓器提供には、本人の書面による意思表示および家族の承諾が必要とされました。この時点では、15歳未満の脳死者から臓器提供を受けることができなかったので、小さな臓器の移植が必要な子供は、海外で移植を受けなければなりませんでした。
2010年1月17日に改正臓器移植法が一部施行され、死後に臓器を提供する意思に併せて、親族に優先的に提供できる意思を書面により表示できるとした「親族優先提供」が実施されました。
2010年7月17日に改正臓器移植法が全面施行され、本人の意思が不明な場合には、家族の承諾で臓器が提供できることになり、15歳未満の脳死者から臓器提供も可能となりました。
改正臓器移植法について、詳しくは、厚生労働省の政策レポートを参照してください。

厚生労働省による報告
厚生労働省は、5月17日に参議院厚生労働委員会に対して、加藤厚生労働大臣より「臓器移植の実施状況等に関する報告書」について報告を行いました。
臓器移植の実施状況等に関する報告書
臓器移植件数が増えていることや、移植可能な施設の定義、厚生労働省が行う普及啓発活動などについて書かれています。

臓器移植に関心を持ち、医療の可能性を知っておきましょう。