平成29年版「高齢社会白書」より – 3 – 高齢社会対策の実施の状況

資料

政府は、6月16日の閣議で平成29年版「高齢社会白書」を決定し、公表しました。
高齢社会白書は、高齢社会対策基本法に基づき、平成8年から毎年政府が国会に提出している年次報告書であり、高齢化の状況や政府各省が講じた高齢社会対策の実施の状況、今後講じようとする施策について総合的に明らかにしているものです。

平成29年版「高齢社会白書」

平成28年度の高齢社会対策の実施の状況について、主な内容は以下の通りです。

1. 高齢社会対策の基本的枠組み

高齢社会対策の基本的枠組みは、「高齢社会対策基本法」に基づいています。
この法律の基本理念に基づく施策の総合推進のため、
・「高齢者」の捉え方の意識改革
・老後の安心を確保するための社会保障制度の確立
・高齢者の意欲と能力の活用
・地域力の強化と安定的な地域社会の実現
・安全・安心な生活環境の実現
・若年期からの「人生 90年時代」への備えと世代循環の実現

の 6つの基本的考え方にのっとって、高齢社会対策を推進することとしています。
さらに、「一億総活躍社会の実現」「働き方改革の実現」に向けて、様々な取り組みが行われています。

2. 平成28年度分野別の施策の実施の状況

高齢社会対策は、各分野において様々な具体的な施策として実施されました。

就業・年金

年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた取組、多様な形態による雇用・就業機会の確保、仕事と家庭を両立しやすい職場環境整備、持続可能で安定的な公的年金制度の確立、高齢期に備える資産形成等の促進

健康・介護・医療

必要な介護サービスの確保、認知症高齢者支援施策の推進、高齢者医療制度について、地域における包括的かつ持続的な在宅医療・介護の提供

社会参加・学習

高齢者の社会参加と生きがいづくり、市民やNPO等の担い手の活動環境の整備、生涯学習の基盤の整備

生活環境

公共交通機関のバリアフリー化、歩行空間の形成、道路交通環境の整備、ユニバーサルデザインの促進、交通安全の確保、成年後見制度の利用の促進、悪質商法からの保護、生涯活躍のまち(日本版CCRC)の推進

高齢社会に対応した市場の活性化と調査研究推進

不安の解消、生涯を楽しむための医療・介護サービスの基盤強化、地域における高齢者の安心な暮らしの実現、情報通信の活用等に関する研究開発、高齢社会対策の総合的な推進のための政策研究

全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築

雇用・就業における女性の能力発揮、非正規雇用労働者対策の推進、子育て支援施策の総合的推進