田舎暮らしの詩 ~長野県伊那市より VOL.10~ 実りの秋

大山千佳

大自然のふところ、伊那谷からお届けしています。
伊那谷

職業

移住前 信託銀行 勤務
移住後 あがっとソロバン&学習塾 主宰

氏名

大山千佳(おおやまちか)

年齢

51歳

略歴

東京都出身。都立日比谷高校、青山学院女子短期大学卒。
信託銀行に26年間勤務し、事務・営業・本部企画に従事。
現在は、中央アルプスと南アルプスに囲まれた伊那谷の大自然の中、
小学生にソロバン、中学生に数学・英語を教える学習塾を主宰。

ターン状況

出身〜38歳 東京都品川区
38歳~47歳 東京都大田区
47歳〜 長野県伊那市

開業資金

1万円(教科書代)

ターンの理由

東京に住み、毎日朝から夜遅くまで仕事しながら、自分の本当の幸せは何か模索していました。
伊那で開催する染め物や味噌づくりのワークショップに通うようになり、風土・季節にそった生き方をしている移住者たちと知り合い、1年かけて移住を決意しました。

今の暮らしで気に入っていること

朝、鳥の鳴き声で目覚めること。
採れたての美味しい野菜を食べられること。


はぜ掛けされた稲穂があちこちで見られるようになりました。
昔ながらのお米の天日干し。美味しいお米ができる過程で欠かせない作業です。
伊那は収穫の秋です。

10月最初の週末は、あちこちの神社でお祭りが催され、神輿や山車が道々を練り歩いていました。
わたしの住む集落の氏神様でもある西山神社でも御祭りがあり、わたしも五穀豊穣のお礼に、神社へお参りしてきました。
大山津見神(おおやまつみのかみ)という山の神様をお祀りするこの神社は、山道に入ってから190段もある階段を登ってたどり着きます。
標高900メートルにある立派なお社は、山の上から集落を見守ってくださっていました。

近隣の農家の方に聞くと、今年は台風が多くて、林檎が落ちたり、ブロッコリーが根こそぎひっくり返ったり、ぶどうが腐ったりと、いろいろな被害があったようです。
しかし、一方ではきのこが豊作で、松茸も余るほど採れているという話です。
天候によって、農作物は豊作不作があるけれど、わたしたちが自然の営みと共に暮らせていることに感謝をして山を下りました。

我が家の花豆の棚も台風で倒れ、まだ青いうちに収穫してしまいました。
あちこちに転がっていたカボチャを拾い集め、あとはさつまいもと大豆の収穫でひと段落。
先日、我が家で開催した、地元で開催する「虹の市」実行委員の集まりでも各々の畑で採れた実りで作った手料理を堪能しました。

実りの秋を堪能しつつ、もうすぐ来る冬を意識するこの頃です。


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