田舎暮らしの詩 ~長野県伊那市より VOL.6~ 自然の恵み、人とのつながり

伊那の美しい景色、美味しい農作物と水。
そして何より、ここに移住してよかったと思うのは、人との心地よいつながりです。

移住前に何回か伊那に遊びに来たとき、先輩移住者の方々と出会い、こんな人たちがいる場所で暮らしたいと思いました。

出会ったのは「虹の市@伊那」を主宰している地元のお母さんたちです。
虹の市@伊那」は、毎年、代々木公園を中心に開催される「アースデイ東京」の小型版のようなもので、年に数回開催しています。
主催者には伊那出身の人もいますが、大方が東京からの移住者で、伊那の自然に魅かれてやってきた人たちでした。

自然と共に生きること、子どもたちに豊かな未来を手渡すこと、毎日が当たり前に幸せであること……。

同じ思いを持った仲間たちが、地球と人にやさしいものを、作った人の顔の見える形で、ゴミを出さずに販売するマーケットを通じてつながっているのです。
現在では、わたしも主宰メンバーの一人として活動しています。

伊那市教育委員会・社会福祉協議会が後援する「伊那谷親子リフレッシュプロジェクト」のリフレッシュツアーのボランティアにも参加しています。
伊那谷親子リフレッシュプロジェクト」では、2013年以降、福島の親子を対象としたリフレッシュツアーを開催しています。
3泊4日の短い期間ですが、放射能を心配することなく、川や山で遊び、手作りの食事を提供することで、つながりを深めているのです。
大自然を満喫して楽しむ子どもたちのお世話ができるし、積極的に物事に関わろうとする地元の人たちとも知り合いになれるので、わたしにとってとても楽しく有意義なものです。

先日は、昨年知り合った移住者の方のオーガニックブルーベリー(記事トップ画像)を摘みに行き、「伊那谷親子リフレッシュプロジェクト」に寄付のご協力をいただきました。
どんどん仲間が増えると、新しい移住者情報、リサイクル情報、野菜の育て方など、伊那で豊かに暮らすために必要な情報が、たくさん入ってくるようになります。

そして採れ過ぎた野菜を差し上げたり、野菜や漬物をいただいたりすることが多くなります。
先日も、桃をたくさんいただいたので、ご近所にお配りしたら、胡瓜、さやえんどう、ピーマン、長いも、トウモロコシが我が家にやってきました。
たくさんいただいて食べきれない胡瓜とトウモロコシを友人にあげたら、ブルーベリーが返ってきました。
そのブルーベリーをお隣に差し上げたら、今度は…。と、お金を介在させなくても豊かな自然の恵みがあふれてきます。


こちらは、昨年の夏、1日でいただいた食材たち。
トマトがたくさん採れたので、トマトソースにして、ご近所に配ったことがきっかけで、たくさんの食材の循環が起こりました。
移住前には、想像すらできなかった豊かな暮らしがあります。

自然の恵み、人とのつながり、ありがたいです。

大山千佳

大自然のふところ、伊那谷からお届けしています。
伊那谷

職業

移住前 信託銀行 勤務
移住後 あがっとソロバン&学習塾 主宰

氏名

大山千佳(おおやまちか)

年齢

51歳

略歴

東京都出身。都立日比谷高校、青山学院女子短期大学卒。
信託銀行に26年間勤務し、事務・営業・本部企画に従事。
現在は、中央アルプスと南アルプスに囲まれた伊那谷の大自然の中、
小学生にソロバン、中学生に数学・英語を教える学習塾を主宰。

ターン状況

出身〜38歳 東京都品川区
38歳~47歳 東京都大田区
47歳〜 長野県伊那市

開業資金

1万円(教科書代)

ターンの理由

東京に住み、毎日朝から夜遅くまで仕事しながら、自分の本当の幸せは何か模索していました。
伊那で開催する染め物や味噌づくりのワークショップに通うようになり、風土・季節にそった生き方をしている移住者たちと知り合い、1年かけて移住を決意しました。

今の暮らしで気に入っていること

朝、鳥の鳴き声で目覚めること。
採れたての美味しい野菜を食べられること。


☞ 田舎暮らしの詩 VOL.1 から読む